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天鏡のアルデラミン/13話感想(終)炎の対決ジャンとイクタ、武力と智略が入り混じる大舌戦!勝つのはどっち!? そしてシャミーユ姫の国を滅ぼす大計画発動!

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ジャンの奇襲によってついに火線防御陣を破られた帝国軍。果たしてこの窮地をイクタはどう凌ぐのか?

ついに両雄が直接相対するねじ巻き精霊戦記天鏡のアルデラミン最終回、第十三話『たそがれの帝国にて』のレビューです。

12話感想

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絶体絶命の窮地に光る才


炎の壁を突破したキオカ騎兵に対し、対策を練るイクタですが彼我戦力差は5対1にも達します。

この劣勢をどう挽回し切り抜けるか――効果的な策も思いつかない中、イクタはマシューに指揮権を移譲、ハロと共に突破された箇所以外の火線防御陣をこれまで同様の機動防御で守るよう指示、2日後撤退をする様命じます。そしてそこで無事再会出来ることを約束して。

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ヤトリ、ナナクら近接攻撃部隊を率いてキオカ騎兵の迎撃に向かうイクタ。

敵軍に先行して有利な迎撃地点で陣を張ることには成功しますが、圧倒的戦力差かつ敵の機動力とエアライフルの長射程、2つのアドバンテージを封じなければ勝機はありません。

しかも敵を足留めするだけではダメなのです。敵部隊を討ち破り炎の壁の向こうに押し返し、突破された火線防御陣を早急に組み立て直す必要があります。

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斥候から戻ったヤトリから報告を受けたイクタはそこであるアイデアを咄嗟に思いつきます。敵将の戦術・センス・思考…それらを総合し、読んで思い付いたこと。それは――

十重二十重の罠

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一方停滞した戦況を打ち破ったジャンは一気に攻め込もうとしますが、帝国軍が早くも迎撃に陣取っていることを察知。

敵陣を突破するのは容易と思われましたが、しかしジャンは辺りに立ち込める油の臭いからこちらが近づいたところで火計を仕掛ける罠があることを見抜きます。

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火矢ボウガンより射程の長いエアライフル部隊を前面に出し横列に並べ一気に殲滅を図るジャン。しかし、そうさせることこそがイクタの用意した第一の罠だったのです。

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何かがおかしいとジャンが気付いた瞬間でした。帝国軍は行動を起こします。

油を仕込ませた藁は釣りの餌、その下に掘った塹壕にイクタら光照部隊とシナーク族部隊が潜んでいたのです。大量の光を乱舞させ、騎兵より軍馬を狙って攻撃を仕掛ける帝国軍。たちまち戦場は大混乱に陥ります。

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混迷の戦場、立て直しを図るキオカのエアライフル隊。そこにヤトリ部隊が来襲。危険度の高いエアライフルを真っ先に潰すイクタの指示でしょう。

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ジャンの眼前ではこれまで秩序立って完璧に支配統率されていた戦場が見事なまでの混沌カラーに塗替えられてしまいます。イクタの真の目的はまさにこの状況を作り出すことにありました。

亡霊を扱う者は亡霊の影に怯える

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知性で制御出来ない、無秩序大混乱の戦場にジャンのプライドは耐えられない――イクタの作戦の真髄は『合理的に洗練された用兵を持って最も相手が嫌がることをする』こと。まさに読み通り、圧倒的不利な状態から帝国軍とキオカ軍は一時停戦、交渉状態に持ち込むことに成功します。

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降伏を迫るキオカ軍、即時撤退を迫る帝国軍。交渉はすぐにも破談するかと思われましが、話は意外な方向へ展開を見せます。

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全てはこの状況を作り出すためのイクタの罠だったのです。

狙うは最初からたった一人。エアライフルの狙撃がジャンの心臓を狙っていることを告げるイクタ。この戦いで勝ってもジャンが死ねばキオカの敗北は決定的です。

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もちろんジャンにもこれが恐らくハッタリであることは分かっています。しかし前回トルウェイら帝国軍エアライフル部隊が活躍した一手がここで生きてきます。長距離狙撃によってキオカの誇る亡霊部隊は壊滅させられたという運用実績。『銃撃のレミオン』という亡霊の存在がジャンの中で不確定要素となって読みを狂わせます。

イクタの提案通り、撤退を受け入れるジャン。苦渋の決断ですが3日後には労せずしてこの地を占領出来る訳ですから、ここで無理は出来ません。

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イクタ「謹言を授けよう不眠の輝将…『すべての英雄は過労で死ぬ』」

再び炎の壁で別れる両雄。ジャンはイクタに戦う信念を問い質しますが、イクタの答えはジャンが望むものとは、ジャンが信じるものとは程遠いものでした。

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ジャン「ふざけるな!イクタ・ソローク!僕は実現してみせるぞ、かくあるべき世界を!!必ず!」

戦い終わって……

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山地の撤退戦を終え、続々帰還する兵士たち。シャミーユ姫はイクタの安否が気になって仕方ないご様子。

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無事帰って来た騎士団メンバー。サザルーフ大尉やスーヤ、ナナクなど主要メンバーも全員無事でした。

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人目もはばからず喜びを形にする殿下が可愛いです。どれだけイクタのことが好きなんでしょうね(笑)

ヤトリシノ・イグセムという女性

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アルデラ神軍戦で輝将ジャンの読みをイクタが常に上回った要因の一つが彼女の存在でしょう。

高等士官学校に通う17歳。戦時任官とはいえ中尉という重責を担う、旧軍閥名家の筆頭である『忠義の御三家』の一角であるイグセム家の長女です。

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帝室に対して絶対的忠誠を誓っており、行動でそれを示す。その様は敵はおろか部下すら畏怖する程。もはやチートレベル。その『白兵のイグセム』の異名はキオカにも広く知られているくらいです。

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イクタとの連携は戦鬼、鬼神なほど。今回もイグセムの誇りである二刀を振るい、敵指揮官を真っ先に瞬殺しています。イクタの戦術の意味を完全に理解し、その上で最も効果的な戦果を上げる――まさに一対の両腕的存在です。

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しかし戦場以外では女性らしい柔らかな部分も多々見られます。特に周囲や部下に対する気配りや配慮は他の騎士団メンバーと比較にならない程(笑)その武功や戦場の姿から畏怖され、忌避されてもおかしくないですが、部下からの人徳が高いのも頷けます。

あるいは怠け者の司令官を補佐する人格者としての副官――といったヤトリのポジションをイクタが自然と作り出しているのかもしれません。

ここから始まる『約束された敗北に至る物語』

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シャミーユ「上手に負けるのだソローク。軍人も帝室も英雄も大嫌いなそなたに、これ以上の配役はあるまい…だから悩むなイクタ・ソローク、余と一緒に負けるまで戦え!」

ラストはシャミーユ姫が『帝国を外圧によって滅ぼす』決意をイクタに伝えたところで終了。ここから壮大な亡国戦記が始まる――といった感じのラストです。現実に日本みたいに敗戦で国の構造が大きく変化した例はありますが、実際故意にやるとなると相当舵取りが難しいでしょうね。

それこそ敗戦というのは生殺与奪権を相手国に委ねる訳ですから、ただ戦いの勝ち負けに興ずるのではなく、敵側の指導者層に姫側の理解者を増やし、戦後処理を操作していかねばなりません。政治的領分も含んだ戦記物、とても面白いと思いますのでぜひ2期を期待したいところです。

さて夏季アニメもこれで終了。長い間ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンの感想をご覧頂きありがとうございました。また次の作品でお会いしましょう!

それはそうと、結局『ねじ巻き』ってどんな意味を含んでいたのでしょうね…?

(ごとうあさゆき)

12話感想

天鏡のアルデラミン/12話感想 漢を見せるサザルーフ大尉がカッコいい!戦術の読み合いと新兵器の投入が戦局を左右する!?


多大な犠牲を払いながらも火線防御陣を展開しアルデラ神軍の侵攻の足止めに成功したイクタ率いる帝国軍撤退支援部隊。

キオカの不眠の輝将ジャンは、その顔も知らぬ智将の見事なまでの采配ぶりに賞賛を贈りつつも次なる一手を放つ、ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン第十二話『亡霊を狩るもの』のレビューです。

11話感想

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戦場を支配する意思2つ

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膠着した状況を打破するためアルデラ神軍の騎兵部隊が西の迂回路に向けて移動を開始。その報告を受けたイクタは、迎撃部隊を出す決断を下します。

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迎撃部隊を指揮するサザルーフ大尉。撤退支援部隊の総指揮官である自らが志願します。支援支援部隊をイクタとヤトリに委ねます。そしてイクタからある指示を密かに受けたトルウェイもまたエアライフル部隊を率い大尉に追従します。

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頭上を飛行する気球に気を取られながらもイクタ達は火線防御陣の炎の壁の補修と侵入してくる敵を追い返す作業――『変則的な機動防御作戦』を開始。

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7日間ここで粘り、後に南に向かって撤退を開始するのがイクタの立てたプラン。一方サザルーフのいる西の砦にはジャンの密命を受けた『亡霊部隊』の魔の手が迫りつつありました……

西の砦の戦い

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アルデラ神軍に偽装したキオカ部隊の攻撃が西の砦に迫ります。僅かな手勢ですがサザルーフ大尉は見事な指揮で敵の攻撃を退けます。

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ここでも膠着する戦況。そして戦いは3日目に突入。繰り返されるアルデラ神軍と帝国軍の戦い。その砦の背後の森には、密かに陣取る『亡霊たち』の姿がありました。

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砦の帝国軍を背後から襲おうとした次の瞬間、亡霊部隊を襲う銃弾の雨あられ!

トルウェイ率いるエアライフル部隊の一斉攻撃でたちまち亡霊部隊は壊滅の憂き目を見ます。

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トルウェイ「一人も逃さない…!」

イクタは西の砦の周辺形状からこの地で戦況が膠着した場合、亡霊たちが現れることを予め予期していたのです。

またキオカがエアライフルの長射程だけを生かした奇襲戦術(面制圧)なのに対し、トルウェイの采配はエアライフルを生かした狙撃、スナイピングによる一撃必殺の点制圧。そして敵をわざと後退させ、伏兵を配した場所に追い込み殲滅する二段構えの作戦でした。ライフルの運用の違いが運命を分けたと言っても過言ではありません。

イクタが虎の子のエアライフル部隊を敢えて投入した理由がここに。ジャンの思考を読んだ先の一手、亡霊部隊の壊滅がこの先の戦局に与える影響は果たして…?

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一方火線防御陣での戦いは新たなる局面が迫っていました。

東の森の上空に浮かぶ気球。その下では騎馬隊が謎の機動移動を行っていました。一見無意味な行動、その不可解な動きにイクタも疑念を浮かべます。果たして一体どんな意図が…?

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そしてアルデラ神軍の新たなる攻勢が始まりました。森の東側に新たなる動きがあったとの連絡がイクタの下に届きます。援軍として巨大な荷を運んだ馬車が続々到着していると言うのです。

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それはキオカの最新兵器――圧縮空気を利用した爆砲と呼ばれるアルデラ教にとっては禁忌の兵器でした。

新兵器の登場によって戦場の様相は一変します。

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長射程の爆砲で火線防御陣を越えてバリケードを攻撃、炎の壁の間に隙間を作ることに成功します。

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その隙間から続々障害を乗り越えやって来る騎兵集団。生命線の防御陣を破られたイクタに果たして打つ手は――!?

こんな上司が最高だ! 出来るオトナってのはこういうコトさ

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今回の影のMVPはサザルール大尉。無責任なサフィーダ中将と異なり、現場で最後まで責任を取りつつも、己の分を心得ている大尉は部隊指揮の全権をイクタに移譲、自分は才能に分相応うな西の砦防衛の指揮を取ります。

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またスーヤとナナクの会話に割り込み二人の和解に一役買います。初陣のスーヤに軍人としての心の持ち方、一兵卒に戦場の責任、罪と咎の意識を押し付けないと、部下のケアも万全。上官としてあるべき姿ですね。

軍人は上官の命令に絶対である――それは同時に全ての命令の責任を上官が持つということ。当然上官は更に上の上層部に責任を押し付ける訳ですが(笑)もちろん人の感情はそれで割り切れる程単純な物ではありませんが、あくまでも御題目なのでそれはそれで構わないのだと思います。

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西の砦で奮戦する大尉。シナーク族との連携もばっちりです。この辺りの柔軟さ、フランクでカジュアルな雰囲気が実に良い意味でイクタと気が合うんでしょうね。騎士団にとって実に良い兄貴分のキャラクターです。

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僅かな手勢で効果的な籠城戦を展開する大尉。大尉の軍人としての有能さ、現状把握の能力の高さを示されています。

イクタやジャン程の創造性や応用性は無いものの、与えられた状況の中で必要な仕事をきっちりと果たす――いわゆる職人肌の現場指揮官としては有能な軍人です。

ぜひこの戦いを生き残って、今後もイクタ達に尽力して欲しい人材ですね。

最後の決戦迫る! イクタに逆転の策はある!?

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前回自らの行動から帝国軍に多大な被害を与えてしまったナナクは反省し犠牲となった兵の骸に花を贈りました。

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そしてナナクはスーヤに戦いが終わったら気の済む様にして欲しいと伝えます。両手を落としても構わないと。もちろん今のスーヤにそんなことが出来る訳がありません。

サザルーフ大尉のとりなしもあって二人は無事和解。撤退支援部隊は非常に困難な状況に追い込まれていますが、内部の士気はそう悪くはありません。

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イクタ「奴ら訓練していたんだ! 気球で林道の路面状況を記録し、それを反映して障害コースを作り上げ、体で覚えて、炎の壁を突破した…やられた!」

しかしジャンの爆砲という奇手で作戦の生命線である火線防御陣をついに突破されてしまった帝国軍。果たしてイクタにこの危機を挽回する策が残っているのか。そこが今後のポイントになりそうです。

またジャンにとっても亡霊部隊の壊滅は想定外の損害の筈。このミス、亡霊部隊のエアライフルがトルウェイの手に渡った可能性も含め、後々どう響くか――智将同士の戦いもいよいよ終局。残された手札もあとわずかでしょう。果たして運命の女神がどちらに微笑むのか、また誰が生き残るのか。戦いの結末が非常に楽しみです!

(ごとうあさゆき)

11話感想

天鏡のアルデラミン/11話感想 イクタとジャン、二人の智将の頭脳戦! 終わりなき激戦に死に逝く部下達…死闘の果てに将兵は何を思う?

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密かに張り巡らされた罠。迫るアルデラ神軍その数1万2千。対するはわずか720――北域鎮台に撤退する帝国軍の殿(しんがり)に残ったサザルーフ大隊はイクタの作戦指揮の下、森を焼き火線防御陣を敷いて敵の足止めを図ります。

敵は不眠の輝将、守るは常怠常勝。見える戦いと見えぬ戦い、砲火と知略がぶつかり合うねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン第十一話『常怠vs不眠』のレビューです。

10話感想

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炎の戦場

▲ Web次回予告#11より

キオカの不眠の輝将ジャンの策略に完全に陥った帝国軍。残存兵力を無事鎮台へと撤退させ北域の防御を完全にするべく大アラファトラ山脈に残った撤退支援部隊。サザルーフ大隊は先行して大森林地帯にバリケード陣を築き、森を焼き払い火線防御陣を形成します。

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「頃合いだ、そろそろ一戦交えよう」とのイクタの進言にマシューは『このまま火線防御陣で時間稼ぎをするべきでは?』と疑問を投げかけます。

イクタは敵が火線陣を迂回してくる可能性を指摘し、さらにナナからの詳細な説明でこの地には別の山道があり、大きく迂回して帝国軍陣地後方に出られることが分かります。同時にこの情報が幽霊部隊を通じて敵側に知られていることも。

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とはいえ森の迂回は遠回りする分だけアルデラ神軍にもデメリット、疲労や糧食の消耗など苦渋の決断になります。一方で帝国軍にとっては迂回されてしまった場合、撤退支援部隊の防御陣が無意味となる上、より多くの撤退時間を稼ぐという本来の目的が果たせません。

ここは敢えて一戦交え、相手に迂回より火陣の強行中央突破を選ばせ、さらにはその上で相手を足止めすることでさらなる時間を稼ぐ――何とも綱渡りな作戦です。

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イクタの読み通り、アルデラ神軍の指揮官も迂回を考えていました。しかしジャンの進言によって結局その場に留まることに。ジャンは神軍の侵攻を誘うため、火線防御の一部を消すであろうことを最初から予想していたのです。

智将同士の策の読み合い。既に見えない戦いは激しく火花を散らしていました。

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撤退時間を稼ぐための交戦が始まります。火線の隙間をやって来るアルデラ神軍に砲撃を浴びせる帝国軍。

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しかしアルデラ神軍は大兵力に物を言わせ、倒れた仲間の屍を踏み越え侵攻してきます。

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砲撃の射界を遮る弾除け杭を巧みに打ち込むアルデラ神軍。その杭の打ち込んだ場所も、何か継続した作戦を思わせます。

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ヤトリ小隊とナナク率いるシナーク族の部隊が杭を除去するため出陣します。実はそれこそがジャンの奸計、帝国軍を釣り出すための仕掛けだったのです。

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杭を抜くため飛び出したシナーク族部隊。次の瞬間エアライフルを使った遠距離攻撃が炸裂します。次々と倒れるシナーク族の戦士達。ジャン取って置きのアルデラ神軍に偽装したキオカのエアライフル部隊の攻撃です。

しかしトルウェイの帝国軍エアライフル部隊の反撃もあってジャンはエアライフルによる戦術がこちらの独占戦法では無いことを思い知らされてしまいます。

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大きな打撃を受けたシナーク族部隊。このままでは部隊の全滅は必死です。アルデラ神軍は攻城兵器である雲梯を出してバリケードに接近。シナーク族を見捨てて撤退するか、部隊への損害を覚悟してシナーク族を救うか?――イクタは決断を迫られます。

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迷うイクタですが決断は一瞬でした。それは彼の右腕たるヤトリの存在。

ヤトリはシナーク族を救うために動く――迷うことなくイクタはシナーク族の生存者を救出し、直ぐ様バリケードへと撤退します。

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撤退完了したイクタ隊とヤトリ隊。サザルーフ大尉はバリケードに火をつけ当初の予定通り、後方への撤退命令を出します。

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多くの犠牲を払いつつもアルデラ神軍の足止めに成功した帝国軍。イクタの部下であるニニカ伍長やシシンディも戦死。その戦いは死者と同時に数多くの生存者――その心に深い傷を残したのでした。

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部隊に大きな損害を出したイクタの判断を非難するスーヤ。ヤトリはイクタにその責は無く、全ては自分の行動がイクタの判断基準になっていたことを告げます。余人には分からないイクタとヤトリの間の深い絆。その前にナナクもスーヤも言葉を失います。そしてイクタはスーヤの非難を甘んじて受け入れるのでした。

しかしここで殿を預かる部隊が踏ん張らなければなりません。本隊――引いては北域そのものを守らねば危機は大きく広がるのですから。

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膠着する戦況に、ついに隠れ潜んでいたキオカの幽霊部隊が動き出します。この判断が戦場にどう影響を与えるのか――二人の智将の知恵比べの行方が気になります。

不眠の輝将の能力を信じて戦う常怠常勝

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今回の戦闘は敵にも味方にも苛烈な犠牲を強いるものでした。それは同時にアルデラ神軍の参謀であるジャンとサザルーフ大隊の参謀であるイクタの目に見えない戦いでもありました。二人の智将の性格の違いもあいまって、その言動の差が大きく描かれています。

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イクタは戦闘開始直前、相手の天才性が自分を上回るのではないかという不安に苛まれます。それほどまでに精神をギリギリまで削り取る戦いをしていたということです。

なぜならイクタの戦いは『輝将がこちらの考えを読み取ってくれること』を前提に組み立てられており、前回マシューに『作戦は綱渡りになる』と言った通りになっています。常に相手にこちらの意図を読み取らせ、なおかつ手の内で踊ってもらう――しかしこれは一歩間違えば簡単にひっくり返されてしまう、まさに綱渡りの作戦です。

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そんなイクタと比べ、ジャンは純粋に目に見えぬ智将と純粋な知恵比べを楽しんでいる様子です。今回の戦闘にしても、戦いには勝てなかったが勝負に負けたワケではない、「一番欲しかったのは情報」と嘯いています。

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しかしその情報こそ今回イクタが最もコントロールしたかったものかもしれません。

今回の戦闘で殿を務める帝国軍は2個大隊にも満たないとジャンは判断しましたが、実際の撤退支援部隊は後方に1400人が控えています。
つまりアルデラ神軍が『敵は1個大隊』と予想して攻撃を仕掛けた場合、その3倍以上の敵戦力と戦う羽目になります。戦力を少なく見せて相手の油断を誘い、意表を突くのは戦術として常道ですが果たして…?

そういった意味では今回シナーク族の救援を優先したのは、友軍を助ける以上に生存者をなるべく救出して友軍捕虜を出来るだけ減らし、情報漏洩を防ぐといった目的が副次的にあったのかもしれません。

戦いは終局へ。果たしてどの様な形で終わらせるのか?

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▲ イクタが好き過ぎて夢にまで見てしまう姫様がカワイイです。そういえば久しぶりの出番でしたね(笑)

ますます激しく苛烈な戦いになる北域アルデラ神軍戦。数多の犠牲を払いながら、己が心を削りながら戦うイクタ達士官候補生。二人の智将の知恵比べがどの様な結末を迎えるのか、次回の展開が非常に楽しみです!

(ごとうあさゆき)

10話感想

天鏡のアルデラミン/10話感想 族長は幼馴染!? 迫り来る危機にまさかの帝国とシナーク族の共同戦線! そしてついに黒幕登場――その名は『不眠の輝将』

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激しいシナーク族の総攻撃を多くの犠牲を払いながらも何とか凌いだ北域鎮台本隊。戦いに敗れた族長ナナクが落ち延びた先で見たものは、炎に焼け落ちる村の姿でした。

戦いの裏で蠢く影――シナーク族を陰から操っていた黒幕がついに動き出すねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン第十話『ラ・サイア・アルデラミン』のレビューです。

9話感想

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戦後処理。士官の戦いは戦闘が終わってからが本番です

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焼け落ちる村、それは北域鎮台の別働隊が行っていた狼藉でした。もっとも焼き討ち自体は司令部の命令だったのかもしれません。ナナクは一人帝国兵に挑みますが、所詮は多勢に無勢、あっという間に取り押さえられてしまいます。

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そこに駆けつけるイクタとヤトリ。サザルーフ大尉は友軍が理性を取り戻すまで放置する考えの様でしたが、イクタは既に次のステージの状況を考えていたのでしょう。族長の身柄を安全に確保すべく行動に移します。

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イクタ「勇者でもいい…戦士でもいい…でも、ケダモノはアウトだよ…」

9話の下ネタを踏まえた台詞。ナナク救出のこの辺りの下りはほぼイクタの独断専行に近い行動ですが、ある程度の自由裁量権とサザルーフ大尉の立場(プラス事後報告)を利用してるっぽいのがイクタの狡賢いところです。大尉を利用していると言えるのかもしれません。

でもそれを黙認、イクタの優秀さを認めているのが大尉の度量の大きさと人間的魅力なんでしょう。

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族長の身柄確保に成功したイクタですが、上層部には身柄をすぐに差し出してないのもポイントでしょう。渡せばどうなるか分かっていたので状況が落ち着くまで(ほとぼりが冷めるまで?)匿うつもりだったのかもしれません。

次々に変化する状況――それはイクタの予想をも上回って?

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状況の変化は思っていたよりも早く起きました。まるで見計らった様に姿を現すアルデラ教団の使者。北域鎮台の精霊虐待の現状を告発するためです。

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慌てた中将に使者の追跡、足留めを命令されたイクタ中隊ですが既に山脈近傍までアルデラ神軍が接近していたことに気付きます。その数は万全の北域鎮台総戦力に匹敵する戦力です。

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現在の残存戦力は8千にも満たず、しかも連戦激戦を繰り広げたばかり。さらに後方の戦力はほぼ怪我人と病人だらけの有様です。あまりにも絶妙なタイミング。全ては裏で画策し糸を引いた者の企てなのでしょう。

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混乱に陥る北域鎮台上層部。イクタに入れ知恵された大尉は中将に進言。作戦は認められ大尉率いる大隊600名が前線に残りしんがりを務め、敵の足止めと本隊の撤退を支援することになります。

黒幕登場――戦いは次なるステージへ

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族長ナナクとの会談を成功させたイクタはシナーク族と協力してアルデラ神軍の進軍を遅らせるための工作に取り掛かります。

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帝国軍が取った作戦はアルデラ神軍の進行ルートにある大森林地帯を盛大に燃やし、足留めを喰らわすこと。

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これを見たアルデラ神軍の指揮官はオブザーバーとして同行していたキオカ共和国の将校を召喚、対応に当たらせます。

結果アルデラ神軍はこちら側からも火を放ち、延焼範囲を潰すことで火を消す策を用います。そのソツの無い作戦行動にイクタやヤトリも感心し、敵軍にいる智将の才を褒め讃えます。

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同じ頃、天幕で作業するジャン・アルキネクス陸軍少佐もまたまだ見ぬ帝国軍の智将を褒め讃えていました。少ない時間、限られた戦力、あまりに限定された綱渡りの状況で最も効果的な策を用いる――帝国に稀有な軍才を持った人間がいたことを肌で感じ取っているのです。

既に目に見えない戦いはもう始まっていました。『眠らずの輝将(きしょう)』と『常怠常勝』――果たしてこの天才二人の知恵比べの結末やいかに…?

幼馴染は族長様――ナナクという少女

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新章のキーヒロイン、シナーク族の族長ナナクですが戦争が終わって今回、ようやく初めてキャラクターとして深く掘り下げられました。

実はイクタと彼女は幼馴染だったことが発覚。子供の頃夜這いをして来るくらいの関係で、6話で(北域鎮台に出張する前に)イクタが語っていた山岳民族に対する好感の源泉でもありました。つまりこれまでのナナク対ヤトリの戦いは、イクタにとっては幼馴染同士が修羅場って戦っていた、ということでもあって……

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そんなナナクへ筋を通すため、イクタは今回小指を刻むという行為で身の証を立てます。

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かつて自分がイクタに教えた村に伝わる伝承。文字通り身を切ることで誠意を示したイクタに強く心を動かされるナナク。幼い頃でその言葉の意味を正しくは知らなかったとはいえ『夜這い』をする程イクタのことが気に入っていたのですから、あるいは初恋だったのかもしれません。

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イクタ「出来ればこれからも君の事を、ナナと呼ばせて欲しいんだ」

族長へ提示した3つの願い、その最後は全く帝国とシナーク族に関係の無い、そして最もナナクの感情を強く揺さぶる、ダメ押しになる口説き文句でした(笑)

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これにはさすがのヤトリも呆れ顔を浮かべています(笑)

しかしその理屈を超えた誠意を示したことによりナナクはイクタ曰く『虫の良い話』を受け入れることに。異教徒排斥のアルデラ神軍を前に、つい先程まで戦争中だった帝国軍とシナーク族が協力して相対することになります。

北域動乱、いよいよ最終ステージへ!

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ついに現れた真の黒幕、キオカ共和国の麒麟児ジャン。

幽霊部隊《カラカルム》を密かに送り込み、シナーク族と帝国の間に確執を生ませ、煽り、北域鎮台には精霊虐待を行わせ、重職の人間を暗殺し混乱させる。全ては帝国を弱体化させ、精霊虐待を名目にアルデラ神軍を動かし北域を帝国から奪う策――キオカはちょっと口を出すだけで帝国の力を大きく削ぐことが出来ます。

うまくすればアルデラ神軍と挟撃することもさえ……まさに次の戦争をより良く有利に進めることが出来る見事な戦略です。

東域鎮台の敗北は政治的に切り捨てられた、いわば『帝国がわざと負けた戦い』でしたが、それが引き起こした事態は東域のみに留まらず、キオカは貪欲に帝国領に押し寄せる結果に。この事態を政治家達はどこまで想定していたのでしょうね。優秀な将を失い、戦況はどんどん悪化している模様ですが。

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しかしアルデラ神軍とジャンに誤算があるとすれば、今北域鎮台軍はイクタがいるという事実でしょう。彼の存在は全くの無名、かつ帝国軍はサザルーフ大尉が指揮をしている――表向きはそうなっています。ジャンが情報を集め、データを分析し策を弄すれば弄するほど、その誤差は大きく開いていきます。

眠らずvs常怠、清廉な働き者対好色な怠け者――波乱の動乱、その第2ラウンドは騎士団と士官候補生部隊が背水の陣で望む命懸けの戦いとなるのでしょうが果たして二人の天才、どちらの読みと計略が上回るのか? 非常に楽しみなところです!

(ごとうあさゆき)

9話感想

天鏡のアルデラミン/9話感想 英雄は墓の下にいる――戦争では良い人が真っ先に死んでいく。そして勇者は絆に生き、戦士は孤高に生きる。

アルデラミン09-①メイン
激しさを増していく北域動乱。仲間の命と妹弟子の命、結果的にその二つを天秤にかけ、どちらか一方を選ばざるを得なかったイクタ。数多の悲しみを乗り越えついに彼らが最前線の地を踏むねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン第九話『ささやかな面目の行方』のレビューです。

8話感想

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最前線――そこは地上の地獄

アルデラミン09-②最前線
ついに最前線送りになったイクタ率いる士官候補生部隊。鎮台本隊3個旅団1万8千が死傷者多数で半数にまで減じているのでまさに猫の手も借りたい状況なのでしょう。

その大多数が高山病なので看病や運搬に人員が割かれ、回復しても高地順応訓練をしてからでないと実戦投入が出来ません。戦力展開の初期段階において失敗を犯しています。

アルデラミン09-③本隊地図
上層部の指令は本隊を3隊に分け敵本拠地を目指す作戦。減った戦力をさらに兵力分散するという愚を犯しています。

アルデラミン09-④大尉と騎士団
暫定的に騎士団メンバーがそれぞれ指揮する5個小隊をまとめて1中隊とし、中隊長にイクタを任じるサザルーフ大尉。これまでは現場判断でイクタが指揮を執っていましたが、ようやく正式な軍令として指揮権を得た状態に。無能な上官の科学的でない命令を利かずに済むのでイクタとしてはまだやり易いでしょうね。

アルデラミン09-⑤燃える集落
大尉の命令でシナーク族の集落を焼き払うイクタ達。いわゆる「焦土作戦」ってヤツです。

これにより住民の反感を一気に買う帝国軍。しかし当初の上層部の命令は住民の殲滅でした、それを大尉が進言して住民の命を救った訳なのですが…当人達はそのことを知る由もありません。

アルデラミン09-⑥少年
少年の一人がイクタに石を投げ、噛み付き猛抗議をします。大人なイクタは軽く流す態度。少年をデコピンで振り払います。

アルデラミン09-⑦准尉が殴る
鼻血を流した少年を見ていきり立ったのはデインクーン准尉。強烈な拳でイクタを殴り飛ばします。

アルデラミン09-⑧鼻血の准尉
准尉「これでお揃いだな、小さき勇者よ!」

イクタをぶん殴った拳で自分の顔面を叩く准尉。少年の勇気と心意気を褒め称えます。しかしいくら年期が長いとはいえ、階級上はデインクーン准尉よりイクタ少尉の方が高いので軍律的に上官に手を出すのは非常に大きな問題なのでは? 軍規違反してでも義侠心と、話に筋を通す熱き漢ディンクールといった処なんでしょうけど。あまり出世しそうに無いタイプです(笑)

束の間の勇者と戦士の休息

アルデラミン09-⑨テント
宿営地で一息着くイクタ中隊。ヤトリとハロが体を拭きに中座したところで残った男子組、特にマシューは以前から懸念していたある問題をイクタとトルウェイに相談します。

それは年頃の男の子なら誰しもが悩む問題。戦地で持て余すリピドー、その吐け口を一体どう処理するか?――実に厳しい命題です。

アルデラミン09-⑩勇者と戦士
イクタは親愛なる友マシューに語ります。

いかなる状況でも、例え軍規で禁じられても互いの絆を深め合うことを優先する勇者になるか、あるいは規律を遵守し己を律する孤高の戦士となるか。もちろんイクタは前者。そしてトルウェイは後者であることは明らかです。

話題は乱入した大尉の箴言により一先ず終了…これ幸いと立ち去ろうとするマシューをイクタは呼び止めます。

アルデラミン09-⑪マシュー逃げる
イクタ「我が友マシュー君は? …このまま逃げるのがフェアじゃないだろ?」

アルデラミン09-⑫戦士宣言
マシュー「こ…孤高なる戦士に敬意を払え!」

アルデラミン09-⑬天幕内
天幕内一同「サー!イエッサー!」

アルデラミン09-⑭精霊敬礼
精霊まで敬意を払う始末です。天幕内の軍人が全てイクタ中隊のメンバーだったとすれば、まさに全員の心が一つになった瞬間です(笑)

決戦、暗躍する黒い影――ささいな面目の行方は?

アルデラミン09-⑮行軍
シナーク族の本拠地に向け進軍する鎮台軍。サフィーダ中将自ら指揮する本隊は左右両岸が高く切り立った崖に囲まれた地形を進みます。

風臼砲による攻撃の可能性は低いものの、それ以外の可能性を思案するイクタ。サザルーフ大尉を動かして上層部へも襲撃対策を進言します。もちろん中将はあまり良い顔をしませんが。そんな自分には出来なかったことをぼやきながらもやり遂げる大尉のことをイクタは心から尊敬するのでした。

アルデラミン09-⑯黒い影
そして北域動乱の陰に潜む黒幕もまた動き始めます。

アルデラミン09-⑰襲撃
ついに始まるシナーク族の総攻撃。突然の奇襲に混乱に陥る帝国軍。ですがイクタの的確な指示で中隊は体勢を整えます。

アルデラミン09-⑱ハロ
奇襲に慌て、戸惑いながら着剣するハロ。衛生隊なので前線で敵と直接戦うことなど滅多にないでしょうし、仕方のないことです。ハロの救援に回ったイクタも劣勢に陥ります。

アルデラミン09-⑲ヘルプ准尉
そんなイクタとハロの窮地を救ったのはディンクーン准尉。先のイクタの行動の真意を知り、イクタの面目を潰してしまったことを謝る准尉。己を恥じていたのでしょう、2度は助けんぞとは口では言いますが何度でも助けてくれそうな好漢です。

アルデラミン09-20ナナク戦1アルデラミン09-21ナナク戦2
一方中将の護衛に回ったヤトリは中将暗殺に現れたナナクと一対一のタイマンバトル。凄まじい連続攻撃でナナクはヤトリを追い詰めます。

アルデラミン09-22ナナク戦決着
しかし冷静にナナクの動きを観察していたヤトリは凄まじい剣技の裏に精霊を利用していたことを見抜きます。とはいえ勝負には勝ったものの、精霊の自爆と准尉が敵の凶刃に倒れたことでナナクを見逃してしまいます。

アルデラミン09-23デインクーン死
暗殺者の手にかかり戦死する准尉。その最期を看取ったヤトリは彼の死の間際、「果たして我は、騎士の面目を守れたのだろうか?」との声を聞くのでした。

アルデラミン09-24炎上する村アルデラミン09-25驚きのナナク
そして辛くも戦場を脱出したナナク。ようやく村に辿り着いた彼女が見たもの、それは燃えて焼け落ちる村の姿でした……

アルデラミン09-26次回予告
モブに厳しいどころか毎回名有りキャラ、少佐にカンナ、そして今回のデインクーンと続々戦死者が出て来るまさに戦争アニメです。しかも今回の動乱自体、何者かの思惑によって踊らされているのはもはや疑いの無い状態。

プロフェッショナルの暗殺集団の登場に様々な偽装工作、最新兵器であるエアライフルの使用――もしかすると北域鎮台側が仕掛けたシナーク族弾圧すらその何者かがそうさせるよう誘導した計画だったのかもしれません。

そう考えるとこの戦いの意味が非常に虚しいものに思えてきます。シナーク族と帝国を反目させ、動乱を起こし、帝国の力を弱める――その上で鎮台の上層部を暗殺し軍部を混乱に貶める。民衆の心を帝国から離反させるには実に非常に効果的なやり方です。

そうなると今回の最後、村を焼いたのも証拠隠滅を企んだ黒幕側の仕業なんて可能性もありますね。崖下に飛び降りてあっさり死んだとも思えませんし。

果たしてこの戦いの帰趨がどうなるのか、どう決着するのか…残されたナナク、黒幕側の行動も含め、敵味方の今後の動向が楽しみです。

(ごとうあさゆき)

8話感想

天鏡のアルデラミン/8話感想 高地の戦い。本当の実戦――突き付けられる非情な選択に、イクタが出した答えは…?

アルデラミン08-①カンナ
本格的な動乱状態に陥った帝国北域の山岳地帯。錯綜する思惑、激しい戦いに容赦無く失われていく人命――イクタ達士官候補生も戦いの渦に巻き込まれていくねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン第八話『いつか三度目に』のレビューです。

7話感想

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遥か高地の戦場

アルデラミン08-②イクタ達
慣れない高地での戦い。地の利を生かしたシナーク族との戦いで徐々に疲弊していく帝国軍。悪化する戦況に北域鎮台は補給担当とはいえ、研修演習に中央から来ていた士官候補生部隊をも前線に駆り出す事態となります。

アルデラミン08-③ハロ
一足先に前線に敷設された野戦病院にも怪我人が絶えません。そこで治療に当たっていたハロの表情にも疲れの色が隠せません。しかも彼女はある懸念を抱いていました。

アルデラミン08-④ハロとイクタ
イクタ「最低でも野戦病院は後方…というかもっと低い場所へ」
ハロ「イクタさん、それいつから?」

そこに到着したイクタはハロが懸念を伝える前に野戦病院を後方に移すべきというハロの考えを後押しします。イクタはこの戦いの趨勢が、高地ならではの地形要件――薄い空気への対応、高山病をどう克服するかという点に大きく左右されることに気付いていました。そしてそれを軍上層部が気付いていないことにも。

アルデラミン08-⑤夜襲
その時、イクタ達のいる陣地にシナーク族が夜襲を仕掛けて来ます。イクタは現地部隊の責任者ニカフーマ大尉へ士官候補生部隊は迎撃部隊本隊を援護する役割の任に着く提案を行い、士官候補生部隊の指揮を採る権利を言葉巧みに獲得します。

アルデラミン08-⑥夜襲騎士団
突然の奇襲に総崩れになる帝国軍本隊。後方で入念な部隊編成を行ったイクタは光照隊のイクタ隊が先鋒を仕掛け足止めを行い、トルウェイ・マシューらの風銃隊で敵陣形を崩し、ヤトリ率いる焼撃隊で蹂躙する策を取り見事に作戦を成功させます。

最前線の戦い

アルデラミン08-⑦カンナ登山
一方最前線で戦うカンナ達第一連隊は敵の後退に引き寄せられるかの様に急いで山岳を登っていきます。既に3600m…富士山山頂レベルです。

アルデラミン08-⑧カンナ砦
敵が撤退しもぬけの殻になった空き砦に陣を張る第一連隊ですが部隊の疲労はピークに達していました……

アルデラミン08-⑨罠
やがて兵士達は次々に弱り倒れていきます。それはイクタが最も恐れていた高山病の症状でした。そして夜、カンナ達が弱った頃を見計らったかの様に一斉にシナーク族の大部隊が襲いかかって来たのです――

イクタの智謀と科学の力

アルデラミン08-⑩補給任務
前線へ補給物資を届けるためこき使われる士官候補生部隊。昨晩の奇襲で本隊が大打撃を受けたせいもあるのでしょうね。仕方なく任務を引き受けるも、途中の陣地を敵に奪われ補給路を絶たれていたことが判明します。

アルデラミン08-⑪命令
上官であるナジル中尉から少数部隊での威力偵察を命じられるイクタですが、命令の非効率さゆえにこれを拒否。代案としてトルウェイ隊を加えての、たった1時間で陣地奪回作戦を具申します。

アルデラミン08-⑫準備
敵陣の射程外ギリギリの場所に布陣するイクタ・マシュー隊。

アルデラミン08-⑬狙撃隊
そして遠く離れた敵陣を見下ろす高台に位置するトルウェイ率いる少数精鋭の狙撃隊。前回、イクタからもたらされた新式銃の出番です。

アルデラミン08-⑭スナイピング
圧倒的な超長距離狙撃を成功させるトルウェイ。敵の陣容を切り崩し、防御陣の一部を面制圧、穴を穿った場所からイクタ・マシュー隊が総攻撃を畳み掛け、見事短時間で陣地を奪回します。

アルデラミン08-⑮科学の力
エアライフル――そう名付けられた新式銃はやはり銃身にライフリングを施し螺旋運動によって空気抵抗を抑え、弾道に安定性と脅威の命中率を備えさせました。おまけに望遠鏡を装着したことで完全に長距離射撃に対応、戦争の戦い方を根本から変えることになります。

アルデラミン08-⑯ツーマンセル
狙撃手と観測員のツーマンセルを導入することで作戦遂行の効率と周囲の状況の把握を行っています。この部隊編成案はイクタのアイデアなのか、それともトルウェイの発想なのかは分かりませんが狙撃兵科の設立は他国との戦争においてアドバンテージが高くなりそうです。なにより狙撃センスに優れたトルウェイが直接指導するのが一番有効ですしね。

アルデラミン08-⑰伝令
駐屯陣地に補給物資を届けたイクタ達。ホッと一息を吐く暇も無く、傷だらけの伝令が彼らの元を訪れます。それはあの高山の砦からの援軍要請でした……

アルデラミン08-⑱出撃
上官に伝令を直接知らせることなく出撃するイクタ達。それは高山病のことを理解しない上層部に従っては砦の第一連隊と同じ目に遭うことがイクタには分かっていたからです。

アルデラミン08-⑲待機命令
途中高所順応のために2日間待機する士官候補生部隊。砦に直接向かえば間に合うかもしれません、しかしそれでは高山病に羅患し戦うことはおろか行軍も満足に行えず、結果シナーク族の術中に陥ってしまう…部隊を指揮するイクタは仲間達の命を預かる以上、砦の味方と仲間の部隊、どちらかを選択せよと言われたら後者を選ぶしかないのです。

アルデラミン08-20砦全滅
2日後、再出発したイクタ隊ですが既に砦は陥落した後でした。援軍の到来を想定してか既に敵兵の姿は無く、砦は帝国兵の骸で死屍累々の山でした。

アルデラミン08-21全滅砦2
その死体のほとんどが一撃で屠られており、またその殺され方も首を掻っ切られていることから、あまり抵抗出来なかったことが伺えます。つまり高山病で相当弱っていた、ということでしょう。悲しい証明ですがイクタの判断は正しかったのです。

アルデラミン08-22カンナの死体
城壁の上でイクタはカンナの遺体を発見してしまいます。部下アザンの上に覆い被さる様に絶命していた彼女――最期まで彼を護ろうとしていたのでしょう。

アルデラミン08-23イクタの無念
イクタ「君とは2度会った…僕は3度目を楽しみにしていたんだ…」

遠く離れた北の地で初めて出会った妹弟子。自由で豊かな発想で、神の呪いを自力で解いた彼女。きっとこれから優れた科学の信徒になってくれたであろう同志――その未来は無能な軍上層部によって永遠に奪われてしまいました。

これまで国と軍の不正と無能によって多くのものを奪われ続けてきたイクタ。彼にとってそれは堆く積もりに積もった喪失感。そこにまた一つ小さな石が積み上げられたのでした。一体どんな思いで彼は彼女の死を悼んだのでしょうか。

動乱の思惑――戦いの帰趨はどこへ?

アルデラミン08-24シナーク族のフード男
高山地帯におびき寄せての空城の計など、少数民族とは思えぬ奇策を入れ知恵する謎の男の存在。一体この男の正体は何者なのでしょうか。

それに手に載せていた鳩は伝書鳩…? では一体どこと連絡を? 鎮台内や街にスパイがいるのか、あるいはもっと遠方との連絡用なのでしょうか?

アルデラミン08-25次回予告
幾つかの現場の勝利で部下からの賞賛と信頼を勝ち得たイクタですが、それとは引き換えに大きなものを失いました。

兵士の命を駒にする支配者の遊戯――果たしてイクタ達は今後どの様な行動でそれを覆すのでしょうか。次回が楽しみです!

(ごとうあさゆき)

7話感想